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​活動のきっかけになった言葉
​「桜は、ただ綺麗なだけじゃない」

 私がこの活動を始めようと思ったきっかけについてお話いたします。

 それは、力強い言葉でした。

 2022年現在、私は愛媛県の東温市と南予を中心に仕事をしておりました。ある時、数年前に街中で見つけた美しい桜「陽光」が、東温市で生み出された品種であることを知りました。「これはぜひPRしたい!」私は早速取材を始めました。取材をして、この美しい桜が「世界平和」の願いを込めて生み出されたことを知りました。

 生み出したのは、戦時中に教師をされていた高岡正明さんです。「戦争は間違っている」と思っていても言うことができなかったあの時代、正明さんは「お国のために立派に戦ってこい。また、この桜の下に帰って来いよ。」と教え子を戦地へ送り出しました。体調のため松山にいた正明さんも、松山空襲で戦争の悲惨さを体験しました。そして、戦後、教え子達の戦死の知らせにご自身を責めたそうです。「戦地に散った教え子たちにも桜を見せてやりたい。」「世界の人々よ、花を見て、もう争いはやめよう。」その思いから、長い年月をかけて、どんな場所でも咲く美しい世界平和の桜作りに取り組まれ、桜を広める活動に尽力されたとお聞きしました。

 お話をしてくださったのは、正明さんの息子さんの高岡照海さんです。照海さんは私に力強くこう言いました。

「桜は、ただ綺麗なだけじゃない。戦争を止める力がある。」

 取材を終え、長い時間をかけて作品の準備祖進めようと思ったとき、ロシアのウクライナ侵攻が始まりました。連日のニュースで伝わってくる悲惨な状況に、私は照海さんの言葉を思い出しました。そして、「桜を咲かすのは、今なんだ。」「平和の願いを込めた桜を描いて、平和のための力になろう。」と思いました。

 えをかくことで、一輪の桜になります。一輪では弱いですが、もしほかの桜も花開いて満開の桜になったなら、平和のための力になれる・・・そう信じて、力いっぱい咲きます。

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